2度目の恋は、やさしい蜜の味

2時間くらい経った所で、食事会はお開きになり、女性陣が先に店先に出て、それから間もなくして男性陣が店の前に出てきた。


「二次会どうする?カラオケでも行く?」という提案に、「すみません、私用事があるのでここで失礼します」と美月はすぐに告げた。


早く帰ってごろごろしたい。


すると、横に立っていた菜緒子が「美月、今日は無理矢理付き合わせてごめんね」とこっそり謝ってきた。


「タダでおいしいもの食べられたし、気にしないで。でも、こういうのは今回限りでご勘弁ください」と美月は笑いながら冗談交じりに答えた。


今回限りにして欲しいというのは本音だ。


悪い子ではないけど、人を振り回したり強引なところがあったりする菜緒子のことが美月は少し苦手であった。


美月は、みんなに「お先に失礼します」と伝えると踵を返し、帰路に着いた…………はずだった……