2度目の恋は、やさしい蜜の味

どこかで見覚えがあるような……


こちらに向かって微笑まれたことにハッとして、美月は咄嗟に目を反らした。

それからどういう訳か、美月はその男性が気になって仕方がなかった。

合コンそっちのけで、料理を堪能するフリをしながら、横目でちらちらと隣の席を観察していた。

箸の持ち方や口に運ぶ所作がきれいなその男性をまとう空気はとても柔らかそうである。


声を聞いてみたいな……


美月はそう思って耳を澄ましてみたが、いろんな声が飛び交ってる上に、前にいる男性陣の声が煩くて、結局その男性の声は聞き取ることはできなかった。