「ちょ、ちょっと何してるんですか!?」

「何って、美月ちゃんと同じで頬にキスしただけだよ?」


耳を赤くしながらも飄々と答える悠斗だが、暗闇が邪魔をしてそんな悠斗に気付いていない美月は自分の反応で遊ばれていると勘違いしていた。


「わ、わたしのは、演技中だったからで……今は違うじゃないですか!!」

「あれ?そうだったかな?それにしても、直輝と由美のやつ明日が休みだからってあんないい部屋を2人締めして。しかも早く2人になりたいからって着替えすらさせてくれないんだもんなぁ」


話をそらされた……?

まぁ、頬にキスされたくらいでギャーギャー騒ぐのも変なのかもしれないけど……。


美月はもう少し抗議したい気持ちを抑え、「そうですね」と話を合わせた。