2度目の恋は、やさしい蜜の味

＜あの、申し訳ありませんが、悠斗さんの言っていることは本当なんです……でも少し違う所もあって……悠斗さんに、ほ、惚れてしまってるのはわたしの方なんです＞


うわぁ、いくら演技でも惚れてるとか口に出すとさすがに照れる……。


美月が英語を話し始めたことに驚いた沢井は、目を見開きながら美月を見た。

なんとなく悔しさを感じていた美月は、悠斗の腕を下の方に引き、背伸びをすると、彼の頬に自分の唇を触れさせた。


「悠斗さんが沢井さんとお付き合いしていたことは存じています。お綺麗で聡明でいらっしゃる沢井さんから見ると、わたしなんて足元にも及ばないことは重々承知しています。でも、悠斗さんを思う気持ちは誰にも負けませんから！」


何言ってるんだろう、わたし……


美月は興奮した勢いで口走ったセリフに戸惑いを感じていた。

そんな美月を知ってか知らずか、最初驚いた顔をしていた悠斗だが、すぐに愛おしそうに美月の肩に手を回しぎゅっと自分の方へ引き寄せた。

美月は慣れないその感触に体を硬直させながらも、毅然とした態度を振舞おうと必死だった。