2度目の恋は、やさしい蜜の味

婚約者……って話が違うじゃない。

と美月は思いながら、「よろしくお願いします」と顔色が変わらないよう注意しながら、悠斗から手を離し一礼した。

沢井はそれを無視し、悠斗に再び英語で話し始めた。


<この子が婚約者?冗談はよして、まだ子供じゃない>

「冗談なんかじゃない。俺の方が惚れてるんだから」

<嘘よ。どうせ、恋人のフリでもお願いしたんでしょ?じゃないと、こんなちんちくりんなんて選ばないはず>


この人は、さっきから黙って聞いていれば人が気にしてることをズケズケと……

きっと英語が分からないと思って言ってるんだろうけど……お生憎様。


元来負けん気の強い美月は、自分に対して言いたい放題の里香に刃向い始めた。