2度目の恋は、やさしい蜜の味

「久しぶりね、元気だった?」


沢井は、悠斗と腕を組んでいる美月には目もくれず、いない存在のような扱いで悠斗に話しかけ始めた。


「ああ、そっちは?今はアメリカだったよな?」


悠斗は自分の腕に添えられた美月の手の上にそっと自分の手を重ねながら女性に応対する。


<ええ。あなたが恋しかったわ。今夜この後2人で飲みましょうよ。いろいろ話したいこともあるから>


沢井は妖艶な笑みを浮かばせながら、英語で話し始めた。


「遠慮しとくよ。この後はこの子と約束してるからね。紹介が遅れたな。俺の婚約者の藤本美月さん。美月、こっちは沢井里香さん。仕事でたまにお世話になってる人だよ」


悠斗は笑顔かつ日本語で誘いを軽く交わしながら、美月を紹介した。