「美月~!!」


月曜日、大学での講義が終わり、美月が帰るために正門へ向かっていると、興奮したように女性が正門の方から駆け寄ってきた。


「な、菜緒子!?どうしたの?」


美月の前に辿り着いた彼女は、息を乱しながら「正門ですごく格好いい人が美月のこと待ってるよ!」と一息に言い切った。


格好いい人……誰だろう?

まさか…………違う……よね?


「心当たり無いけど、どんな人?」

「どんな人って、顔が小さくて手足が長くて、とにかくモデルみたいで格好いい人!早く来て」


美月は菜緒子に手を取られ、半ば引きずられるようにして正門まで連れて行かれた。


「ほら、あの人」


そこで待っていたのは予想外の人だった。