2度目の恋は、やさしい蜜の味

「合宿は8月を予定している。みんな楽しみにしてろよ――。先輩方は後から合流することになってるが、緊張するような相手じゃないからリラックスしてていい

「緊張するような相手じゃないって、俺たちのことかな?」


部長の野太い声に被せて、美月の頭上から柔らかい声が降ってきた。


「げっ、藤沢さん、もう来たんすか!?」

「仕事さっさと終わらせて来いって言ったのはお前だろうが。他の皆も一緒に来たんだから文句ねぇだろう」


柔らかい声の彼は部長に話しかけながら、何の躊躇もなく美月の隣にスッと座った。


その人の後ろからは、「お疲れ~」と言いながら昨夜美月が見た顔の人たちがぞくぞくと入ってくる。


思考が追い付かず戸惑っている美月を挟んで、由美は美月の隣に座った男性としゃべり始めた。