2度目の恋は、やさしい蜜の味

「それじゃ、俺たちはこれからもう一軒行くから、お子様はそこのお姉さん２人と一緒にタクシーで帰りなさい。はい、タクシー代」

と言って男性は一番大きなお札を１枚美月の前に差し出した。


お子様って……人が気にしていることを…………。


「結構です。歩いて帰れる距離なので。見ず知らずの人からお金なんて受け取れません」


美月は手の中へ渡されそうになったお金を、そのまま男性へ押し返した。

すると、横にいた素敵な女性2人のうち1人が「ありがたくもらっとくわ」と言って男性の手の中から行き場を失っていたお札をすっと抜き取った。

「いじめないようにちゃんと送ってやれよ」と冗談めかして言う男性に対し「はいはい。心配性」と女性が苦笑しながら軽く返事をしている。