2度目の恋は、やさしい蜜の味

「ねぇ美月……そろそろ自分を許してあげよう。もちろんあの時のことを忘れろってことじゃないよ。ただ……人を好きになってしまうことに対して罪の意識を持つのはもう止めてあげよう。美月、悠斗兄のこと好きになり始めてるよね?その気持ちを必死に押し殺そうとしてるように見える」


美月は、小さな子に言い聞かせるように自分を抱きしめて静かに話す由美の声にじっと耳を傾けていた。


「芽生えた命を失ってしまったことはとても悲しいことだと思う。私には想像もできないくらいに……


……ねぇ、もし、自分が理由で罪の意識を感じてそのまま時が止まってしまった人がいるって知ったら美月はどう思う?」


美月は自分の目から雫が零れ落ちてくるのを感じていた。


「……美月が変わろうとしてるように見えるからあえて言わせてもらう。今育とうとしているその気持ちを押さえつけないで……

そのまま育ててあげよう。恋愛することだけが人生じゃないけどさ……

自分には人を好きになる資格なんてないって思うのは止めてあげよう。気休めにしかならないかもしれないけど、きっとあの子は美月のこと恨んでない……

だって美月の子供だもん。こんなに優しい美月の子供が人を恨むような子のはずがない」



由美は美月の後頭部に巻きつけていた自分の腕をはずすと、美月の手を取り腕時計を指でなぞった。