2度目の恋は、やさしい蜜の味


「昼間、わたしが溺れてると勘違いした悠斗さんが真剣に心配してくれたんだ……それがちょっと嬉しくて。ほら、わたしって家庭があんなだったじゃない?真剣に怒ったり、心配したりしてくれる人って由美以外いなかったからさ。お兄ちゃんがいたらこんな感じなのかなと思ったら気が抜けたみたい。わたし、悠斗さんのこと意識してたんだと思う。男の人っていう意味で。一線引いて接しないと恋愛に発展しちゃうんじゃないかって思い込んでたんだよね……」


野菜を見つめながら淡々と語り始めた美月の話を由美は静かに聞いていた。


「自分が傷つくのが怖いからって人を傷つけていい理由にはならない。何もしてないのに人から避けられるなんてすごく傷つくことだよね……悠斗さんには本当に悪いことしちゃった…………なのに悠斗さん優しくて……さすが由美のお兄さんだね」


顔を引きつかせながら明るく笑顔で振舞う美月を由美は優しくぎゅっと抱きしめた。


「ちょっと由美、危ないよ」



美月は慌ててまな板と包丁に添えていた手を離した。