「その時図書館でね、偶然会ったのよ。家庭教師してもらってたのは小6の時だったから半年くらいしか経ってないのに、すごく久しぶりな感じがして…」

「わー運命っぽい♪」


 2人はもう隼人のことなんか気にもせず次の話題に進んでいるので、奈緒もそれを聞く。

「それで、そのままカフェで話が弾んじゃって…こんな恋をしてたんですって話したら、中学生なのにって驚かれて…」

「まぁ驚くよねぇ。あたしも驚いたもん」

「……」

当事者の奈緒は思わず黙ってしまう。


「そしたら、家庭教師してた頃も、小6にしては随分大人っぽいなとは思ってたけど…って話してくれて…」

「それでそれで!?」

「そんな大人なら、先に好きだって言っておけばよかったって…」

「「きゃー!!!」」

「2人とも声大きい!」


「で、まどかはなんて答えたの!?」

奈緒も再びノリノリだった。

「失恋した時ってちょっと弱気じゃない?だからとりあえずデートすることになって…」

「それで好きになったんだー♪」

「すごいね!超素敵♪」

「でも確かに失恋した時って隙出来るよねーあたしもそれ狙って俊に告白したんだし♪」

「え゛」

「あ、やっぱりそうなんだ」

「やっぱり!?」

葉子とまどかの発言に再びついていけない奈緒。

どこまでも通じ合う2人が怖い。


「葉子と俊くんがつき合うきっかけを聞いた時に、そうじゃないかなって思ってたの」

「えー!?」

「うん、まどかにはバレてるんだろうなって思ってた」

「はー!?」