思い出の、あの場所で。






 「でも、隼人にもやっぱり奈緒って感じがするなー。隼人みたいなタイプには、奈緒みたいな感情表現豊かな子が1番合ってるわよね」

「あー確かに!それで隼人くんも自然に感情出せる気がする!奈緒って壁がないから、みんな心が開きやすいのよね」

「えぇ…?」


またしても2人の中学生とは思えない会話に、奈緒はついていけない。



 それにしてもまどかの切り替えの早さには最初は驚いた。

まどかと関わることに気まずさは十分あった。

乱暴に言ってしまえば、まどかは隼人の元カノで、奈緒は今カノなのだから。


 なのにまどかは、そんな気まずさを微塵も感じさせなかった。

平気で隼人の名を出すし、奈緒のことも本気で応援してくれてるのが伝わる。


 葉子も俊もまどかも、自分に正直で真っ直ぐ。

うじうじ考える奈緒がバカみたいに見えるくらい。

でもそんな3人だからこそ、今奈緒は幸せなのだろうと思う。



 「で、まどか!どうなのよ!」

「え?何が?」

「何がじゃないわよ!なんでつき合うことになったの?」

「確かに気になる!」

話題の主役が自分じゃなくなったのをいいことに、奈緒も身を乗り出す。


 「んー…まぁ簡単に言っちゃえば、失恋の痛手を癒してくれたからかな?」

「……」

けろっと言うまどかに、乗り出した身を戻す奈緒。

「ちょっと奈緒、なんで黙るの!私だって傷くらいつくわよ?」

「いや、うん、そうだけど…」

「ま、過去形だけどね☆」

「あはは、あたしまどかのそういうとこ大好き♪」

「……」

葉子とまどかは爆笑している。

奈緒は本当に、気にする自分の方がおかしいのでは、と思ってしまう。