「お、お前こそ、どうなんだよ」

「ど、どうって…」

「オレばっか暴露されて、お前の気持ちは全然聞いてねえし」

「さ、さっきの流れでわかんないの!?」

「あ、あんなんでわかるか!」

「もう相変わらず変なとこでにぶいな!」

「にぶくて悪かったな!で、どうなんだよ?」


2人で真っ赤になりながら変な言い合いを終え、再び緊張が流れる。


「…あ、あたしは…だから……き、だよ」

「え?」

「聞こえなかったの!?」

「今ので聞こえるか!」


「…っだから、隼人が好きだって言ったの!!あんたは全然気づいてなかったみたいだけど、卒業式の3日前くらいに気づいたの!!」

勢いにまかせて言い切った。
こういう方が自分らしいと奈緒は思ってしまった。


「…まじかよ」

「…え?」

「卒業式の3日前!?ふざけんな!!」

「へっ?」

「オレは6年間ずっと好きだったのに、気づいてねえのはお前だろうが!!」

さっきの奈緒よりもすごい勢いで隼人が言い切った。


「…うそ、6年間…?」

奈緒は思わず呆然とする。

言い切った隼人は真っ赤な顔を背ける。

2人はそれきり黙りこむ。