「ねぇ奈緒さん、お願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
「えっ、う、うん!何!?」
「私と、友達になってほしいの!」
「へっ?」
真剣なまどかの様子に身構えていた奈緒は、予期せぬ言葉に驚く。
「も、もちろん!あたしでよければ!」
「ホント?よかった!ありがとう!」
そうして流れるような速さでメアド交換をする二人を、隼人は呆然と見ていた。
お嬢様にしては度胸があるし、たまにすごく気丈な性格になるなとは思っていたけど、これほどまでだとは思わなかった。
自分だけでなく、奈緒まで圧倒されるほどの強さを持っている。
隼人は小さく笑った。
そんなまどかだから好きになったんだと、自然に思えた。
「さて、あとは二人の問題だから、私は帰るね」
「え…っ」
「まどか…」
「頑張ってね二人とも!バイバイ♪」
戸惑う二人を残して、まどかは可憐な笑顔で帰って行った。
可愛くて可憐で、優しくて凛とした強さを持つまどか。
奈緒と隼人はそんなまどかに、心の中で何度も「ありがとう」を呟いた。


