自動ドアが開く音と同時に、聞き慣れた声がした。
「えっ、隼人!?」
隼人が汗を流して駆け込んできた。
「…意外と早かったね」
「ま、まどかさん、どういうこと?」
汗だくの隼人に焦る奈緒。
まどかだけが変わらず涼しい顔をしている。
「ごめんね奈緒さん、奈緒さんの学校に行くって隼人に言っておいたの。でも、よくここだとわかったね」
水を差しだしながら、隼人に問うまどか。
「…奈緒は、この店好きだったから…」
「…そっか、仲良かったんだもんね、わかるよね」
少し悲しそうなまどかの笑顔に、奈緒は困惑する。
「奈緒さん、隼人はね、あなたが好きなの」
「…へ?」
突然の言葉に、素っ頓狂な声を出してしまう。
「ちょ、まどかそれは…っ」
「隼人は黙ってて」
まどかは止めようとした隼人を、顔に似合わずぴしゃりと黙らせる。
隼人は思わず首をすくめ、口をつぐむ。
奈緒はイメージと全然違う部分を見せたまどかと、そんなまどかに歯が立たない隼人の姿に驚きを隠せなかった。
そんな隼人と奈緒に構わず、まどかは続ける。


