「…え?」


何を言っているのか理解できず、絶句してしまう。


 「隼人と、別れたんだ」

そんな奈緒の目をまっすぐ見つめて、再び告げる。

「………」

無理して作った笑顔が一瞬で崩れる。

歪んでいく奈緒の顔とは反対に、まどかは今までで1番気丈な表情をしていた。


 「何…それ…なんで…あ、あんなに仲良かったのに…!」

「仲は良くても、続かなかったよ」

「そんな…なんで別れたの!?せっかく、隼人のこと諦めようと…っ」

言いかけて我に返る。
感情が高ぶってつい口走ってしまった。


 「…あ、あの、今のは…っ」

「やっぱり奈緒さん、隼人のこと好きだったんだね」

焦る奈緒を前に、まどかはすべて知っていたような様子で、落ち着いた笑顔を見せた。


 「や、やっぱりって…」

「図書館で初めて顔を合わせた時に確信したの。私が声をかける前の奈緒さん、すごく幸せそうな顔してたから…」

「まどかさん…」


 「まどか!!」