「やっぱり、奈緒さんだよね」

「……っ」

驚いて言葉が出ない奈緒に、まどかは凛とした声で確認する。


 小さめだけど、澄んでいて凛とした声。

その可憐な容姿にぴったりだと、奈緒は初めて会った時も思った。


 「まっ、まどかさん!?どうしてここに…!」

やっと声を出せたが、思わずうわずってしまう。

「突然ごめんね…電話しようとも思ったけど、私は番号知らないし…でもこの中学だってことは前に隼人に聞いてたから、もう行くしかないと思って、来ちゃった」

そう言ってにっこり笑うまどかを見て、奈緒は呆然とする。

おとなしそうな外見に似合わず、行動力があるようだ。


「そ、それで、あたしに何か、用でもあったの…?」

「…ちょっと、話があって」

「話…?あ、じゃあここじゃなんだから、そこのカフェ行こうよ!」

「え?でも奈緒さん制服なのに大丈夫なの…?」

「店長さんと知り合いだから大丈夫!あたし奢るし!」


奈緒はそう言いながら返事も聞かずに、まどかの白くて細い腕をつかんだ。