放課後、今日は委員会があって部活が休みになった。
葉子は学級委員だし、俊とは二人では帰らない。
なので必然的に奈緒は一人で下校することになった。
校門に向かって歩きながら、ぼんやり考える。
(俊に告白されてからもう1ヶ月…そろそろちゃんと返事しないとなぁ…)
葉子に打ち明けたものの、俊との関係が進んだわけではない。
入学してから2ヶ月が経っていた。
奈緒は怒涛な2ヶ月を過ごしたなぁと思わずにいられない。
隼人と離れて、ただ不安だった入学。
まさかこんなことになるとはまったく思っていなかった。
(もうすぐ7月かぁ…早いなぁ…)
隼人とも、もう1ヶ月会っていない。
(まどかさんと仲良くやってるかな…やってるよな…ラブラブだったし)
自分で思っといて沈んでしまう。
1ヶ月も顔を見てないのに、奈緒の隼人への想いが消えることはなかった。
「…あの」
「え?」
ため息つきながら校門を出ると、ふいに声をかけられた。
顔をあげて見ると、その声の主は今まさに考えていた隼人の彼女、まどかだった。