思い出の、あの場所で。






 でも思えば、確かに葉子に悪いことをしている気がする。

3人でいるのに、葉子だけ何も知らない。

奈緒も俊も少なからずお互いを気にして、上辺だけになっている。

その間にいる葉子は居心地悪いだろう。

奈緒は自分のことばかり考えていたことに反省した。

何かと頼りにするくせに隠し事をするなんて、葉子に失礼だ。



 「あの…実はね、約1ヶ月くらい前に、俊に…告白されたんだ」

奈緒が正直に白状すると、葉子は目を見開いた。

「………」

「よ、葉子…?」

黙ってしまった葉子に、やっぱり怒らせてしまったのかと奈緒は心配になる。


 「…あ、ごめん…やっぱりか」

「え?わかってたの…?」

「うん、なんとなく…俊が奈緒を見る目が他の子と違うなって…」

「そ、そっか…さすが葉子…」

奈緒がそう言うと、葉子は困ったように笑った。


 「で、返事は?」

「あ…まだしてなくて…」

「だからぎこちないのか…」

「ていうか、ごめんね、黙ってて…。3人の関係を壊したくなくて、自分で解決しようと思ってたんだけど…」

「無理だから1ヶ月経ってるんじゃない…」

「その通りです…」

葉子に呆れられてしまった。

「自分でなんて、水臭いじゃない。頼ってくれてかまわないのに」

「ありがと…そうだよね、葉子ほど頼れる人はいないよ」

「調子いいんだから」


 そう言って葉子は笑っていたけど、どこか沈んでいた。