思い出の、あの場所で。






 「…う、うん、可愛いね!」

「な!?ちょっと隼人!//」

まどかは色白な頬を赤く染めて、隼人に詰め寄る。


 本当にまどかは可愛い。

おっとりした外見だけど、話してみると意外としっかりしてそうな印象を受ける。

 試合の日はジャージを着ていたけど、今日は私服だ。

白のキャミソールにピンク色のカーディガン、デニムの膝丈スカートに明るい茶色のウエスタンブーツ。

いかにも女の子らしい、清楚な格好だった。

誰が見ても可愛い。

奈緒とは正反対のタイプだ。


 (…隼人は、こういう子が好みだったのかな…だったら…あたしが好かれるわけないか
…)


赤くなって怒るまどかを、笑ってなだめる隼人。


そんな二人はどこからどう見ても、お似合いなカップル。



浮いたり沈んだり、どうしてこんなに苦しい想いをしなくちゃいけないんだろう。


どうしてこんな思いをしてまで、隼人が好きなんだろう。


どうして、忘れられないんだろう。