「…じゃ、じゃあさ、それまで話さない?つもる話もあるだろうし!」


一瞬泣きそうになったけど、こらえた。

それでも隼人と一緒にいたいから。

他愛ない話でいい。

隼人の声を聞いていたい。


 「そうだな、この前あんまり話せなかったし、卒業してからもうすぐ2ヶ月経つしな」

「でしょ。2ヶ月かぁ…その2ヶ月で、誰かさんは彼女作っちゃったもんね」

つい皮肉まじりに言ってしまった。


「…その話は置いとけ」

「はー?なんでよ!」

「いいから。そう言うお前はどうなんだよ、まだ彼氏出来ないのか?」

一瞬、俊の顔が浮かんだ。

「…それは置いといて」

「人のこと言えねーじゃねぇか」


 二人で笑いあう。

こんなささいなことが、すごく幸せに感じる。

昔はこれが日常だった。

もっと大切にしてればよかった。


 「…でもホント、あっという間の2ヶ月だったなぁ…」

「だから言ったじゃん、“また会える”って」


 頭をなでながら、その言葉を言ってくれたあの日。

今でも鮮明に思い出せる。


「…覚えてたんだ、意外」

「何が意外…」


 「隼人?」