(せっかくの休みなのに…葉子は習い事があるからしょうがないけど、俊は…誘えるわけないし…)


 こんな風になりたくなかった。

葉子と俊、そして自分。

3人でバカやってるのが好きだった。

気まずさなんて感じたくなかった。


 多分それは俊も同じだったはず。

それを壊してまで、想いを告げてきた。


(あたしが隼人を好きなせいで…)


何を選択すれば、今までのように戻れるのだろう。

奈緒はどうしたらいいのかまったくわからなかった。



 (…でもやっぱり1人じゃ、つまんないな…)

外にいても仕方ないので、帰ることにした。




 「奈緒?」



「え?」



ふいに名前を呼ばれて振り返ると、そこには私服姿の隼人がいた。


今まさに考えていた人が現れて、奈緒は驚きを隠せない。


(なんなの…っまるで忘れられないようにされてるみたい…っ)



 会えて嬉しい。

だけど苦しい。


奈緒は叶わない恋の苦しさを知った。