「久しぶりだな…でもなんで奈緒がバスケ部の試合に?」
「…バスケ部に入ったから…友達がレギュラーだから応援に…」
「へぇ…お前運動神経悪くはないけど人並みじゃん、ついていけてんのか?」
(………っ)
全部、お見通しだ。
奈緒が隼人のことならなんでも知っていたように、隼人も奈緒のことならなんでもわかるんだ。
それが嬉しくて、悲しかった。
「…大丈夫だよっ!楽しいし…」
「そりゃよかった。奈緒にもバスケの良さが伝わったか」
ハハッと笑う隼人。
その変わらない笑顔を見ると、胸の奥がきゅっとなる。
改めて隼人を見ると、本当に背が伸びていた。
葉子と同じくらいになっていたから、多分8㎝は伸びている。
たった1ヶ月しか経っていないのに。
隼人はますます大人っぽくなった。
「少し、顔が成長したな、なんか違和感感じる」
「そ、そう?でもそれは隼人だって同じだよ」
「そうか?さてはお前、彼氏でも出来たか?」
「はっ!?中1で彼氏なんて…っ」
「オレは、いるぜ?」
「…え?」
「だから、彼女、出来た」


