思い出の、あの場所で。







 小学生の時から中学生並の腕だった隼人。

その頃と比べると、おそらくこの短期間で背も少し伸びたように見えるし、何倍も上手くなっている。

(…よかったね隼人…わざわざ受験してまで、強豪チームに入りたかったんだもんね…)


 奈緒は隼人を目で追った。

残り30秒、点差は十分あるのに、試合が終わるまで気を引かない。

隼人は昔からそんな性格だった。

隼人は根強くシュートを狙っている。

だがこれ以上点を奪われまいと、相手チームは隼人の行く手を阻む。


なんとかシュートまでのルートはないかと、奈緒は目をこじらせた。


 (あ…っあそこ空いてる…っ!)



「右ーーーーーー!!!」



 思わず叫んでしまった奈緒の声に隼人は反応し、右へ進み、見事シュートを決めた。

綺麗なダンクだった。


(…しまった…!!)

と、後悔しても時遅く、ちょうど試合終了のブザーが鳴り、隼人が奈緒の方を見た。

ばっちり目が合ってしまった奈緒は後ずさり、会場から走って出た。

それを隼人も、俊も見逃さなかった。