「えっと…○×中はっと…あ、あれかな?」
「えっ、どこ!?」
「ほらあの、青いユニフォーム着てる子達」
葉子が指をさす方を必死に見る。
「…あれが…隼人は…っ」
奈緒は目を細くして隼人を探した。
隼人のバスケのうまさはすごかった。
中3のバスケ部だった兄と対等どころか、勝ってしまうほどの腕だった。
だから奈緒は、隼人は絶対にレギュラーになっていると、信じて疑わなかった。
「いた?隼人くん」
「…えっと…あっ!!」
「え!?いたの!?」
奈緒は小さく叫んだ。
視線の先には、あのくせっ毛の黒髪がある。
その髪は前より伸びていたが、すぐにわかった。
奈緒の予想通り、レギュラーの証である青いユニフォームを着ていた。
小学校の頃も隼人はだいぶモテていたが、中学生になってまだ1ヶ月しか経っていないのに、数段とかっこよくなっていた。


