「すごいなー葉子って…」

バスケ部レギュラーだけでなく、その頭の良さから学級委員にも選ばれた葉子。

なので一緒に帰ることが出来なくなった。

けれど奈緒の頭の中は、葉子への尊敬でいっぱいだった。


 うっとりしながら下駄箱に向かって歩いていると、軽快な足音が聞こえてきた。

「よっ奈緒!何マヌケ面してんだよ!」

「………」

うっとりモードをぶち壊されたあげく、その顔をマヌケ面呼ばわり。

奈緒はげっそりした顔で、金髪少年・俊を見た。


「お、なんだよその“うわ出た…”とでも言いたそうな顔はー!!」

「…うわ出た…」

「ホントに言う奴がおるかーいっ!」

まるで芸人のようにツッコむ俊。


「あーもう、うるさいのよあんたは!なんでいつもそんなにテンション高いわけ!?」

「いつでも明るく!これオレのモットー!!」

なんてはた迷惑なモットーだ…と思いながら、奈緒はため息をついた。