「はーい、バスケ部女子集まってー!」

女子バスケ部のキャプテンが叫ぶ。

駆け足で集まる部員たちに習い、奈緒と葉子も駆け寄った。


「1年生が入部して一週間だけど、もうあっという間に5月です。なんと、5月10日、練習試合が決まりました!」

上級生から「おーっ」と歓声が上がった。


「普通は、こんな時期から1年生が試合に出れることはないんだけど…今回は特別に、一人出られることになりました!」

今度は「誰ー!?」と声が上がる。


「それは…結城葉子ちゃんです!!」

「え…っ」

「3年生で相談し合った結果よ。葉子ちゃん上手いから、腕試しも兼ねてね」


1年からも2年からも、さまざまな驚きの声が上がる。

葉子本人も驚きを隠せず、目を見開いていた。

「やったね葉子!すごいじゃん!!」

そんな葉子の横で奈緒は、葉子以上にびっくりしてはしゃいでいた。

「う、うん…信じられない…」


葉子は奈緒より7㎝ほど背が高く、その性格からいつもお姉さんみたいな存在だったが、この時の葉子はまるで小さい子のように可愛かった。


「頑張ってよね、葉子ちゃん!」

先輩たちに応援されて、葉子は顔を赤くしていた。