それから奈緒、俊、葉子の3人は、よくつるむようになった。


 いつも明るく元気に笑い、うるさいけど優しい金髪少年、俊。
純日本人なのに、その金髪は地毛だというから驚きだ。

本当かどうかはわからないけれど。

 そして、さっぱりしていていつも冷静な葉子。
外見は美人で女の子らしいけど、中身はどちらかというと男っぽい。
しっかり者の姉御肌という感じ。

こげ茶っぽい髪の毛は腰あたりまで伸びていて、そのサラサラ感が奈緒には羨ましかった。



 「奈緒さー、入学式の時、すごい沈んでなかった?」

ふいに葉子に言われ、ドキッとする。

「え、そうだった?」

「そうだったよ、ねぇ俊?」

「あー確かにそーだったかも。入学式なのに一人だけ寂しそうな顔してたから、すげー目についた(笑)」

「そーそー。なんかあったの?」


葉子はともかく、俊も意外と鋭い。

この二人の前では何も隠せないと思った奈緒は、正直に白状することにした。


「うーんと…小学校で好きな人いたんだけど、そいつがわざわざ別の中学受験しててさ…あたしが知ったのが、見事受かった後で…」

「あらー…切ないねぇ」

「切ないねぇ」

「………」

俊が葉子のモノマネをしたが、奈緒はスルーした。