「なんか面白いね、キミら」

突然話しかけられて驚くと、奈緒の左隣に座っていた女の子が笑っていた。

奈緒とは正反対の、ストレートの長い髪。
笑っていても整った顔は崩れていなかった。

とても大人っぽくて、思わず見惚れてしまった。


いつの間に自己紹介は終わっていて、休み時間になっていることに気づく。

「あたし、結城葉子(ゆうき ようこ)。会話が嫌でも聞こえてくるからさ、こらえられなかったよ」

「ご、ごめん、うるさかったよね…;」

「ううん、面白かった(笑)えっと、奈緒と俊だよね?よろしく」

「あ、うん、よろしく!」

「よろしくーッ!!」

あまりにスマートに微笑まれ、少し戸惑った奈緒とは違って、俊は明るく笑い、ピースまで決めていた。


(変な金髪と、さっぱりした美人…)

突如出来た友達。

驚きもあったが、奈緒は内心とても嬉しかった。

1番の友達であり、想い人である隼人と離れ、沈んでいた奈緒の気持ちを明るくしてくれた。