前は知るのが面倒くさかったし、知るのが怖かった(色んな意味で)
だけど今はあいつのすべてを知りたい―――
周―――好きだ。
大好きだ。
そんなことを思いながら、いつの間にかうとうとと瞳を揺らしていた。
「―――ヒロ」
遠くであの甘くて低い、くすぐるような声を聞いた気がするけど、
それは夢で、
あいつの温かい手のひらでそっと頭を撫でられ、あいつの香りをリアルに感じて―――
俺は夢で会えたことにも、嬉しさを覚えた。
こんなこと―――はじめてだ。
だけど
まるで甘ったるい砂糖みたいな恋の夢を見ている筈なのに―――
周の声は初めて聞く、寂しくてちょっと切なそうな弱々しい声だった。
「悪かったな。今まで俺に付き合わせて。だけどこれからはお前が望んでいる平凡な日常を取り戻せる」



