- π PI -【BL】




前は知るのが面倒くさかったし、知るのが怖かった(色んな意味で)


だけど今はあいつのすべてを知りたい―――





周―――好きだ。




大好きだ。





そんなことを思いながら、いつの間にかうとうとと瞳を揺らしていた。





「―――ヒロ」





遠くであの甘くて低い、くすぐるような声を聞いた気がするけど、


それは夢で、


あいつの温かい手のひらでそっと頭を撫でられ、あいつの香りをリアルに感じて―――


俺は夢で会えたことにも、嬉しさを覚えた。


こんなこと―――はじめてだ。




だけど



まるで甘ったるい砂糖みたいな恋の夢を見ている筈なのに―――


周の声は初めて聞く、寂しくてちょっと切なそうな弱々しい声だった。






「悪かったな。今まで俺に付き合わせて。だけどこれからはお前が望んでいる平凡な日常を取り戻せる」