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踏み出さなければ―――と願っていたけど、こんなこと望んでいない。
「よっ♪おかえり~」
その日アパートに帰りつくと、周が何故か俺の部屋に居た。
さよなら、俺の平和。
俺は過ぎ去っていく“平和”と言う文字に泣きながら手を振りながらも、
「な、何故居る―――!!」
と、何度繰り返したか分からない質問を周に投げかけていた。
「そりゃお前、恋人の部屋に来たいってのは男の希望だろ?」と周はあっけらかんとして言う。
だけど何故勝手に入り込んでいる!鍵はどーした!?
ってこの際、聞かずにいよう…(何か聞くのが怖い)
しかも
「お前のためにビーフシチュー作ったぞ。それからビーフステーキに、レバ刺し」
何故か料理までしてあるし。
しかも肉ばっか!!
しかも冷蔵庫を開けると、栄養剤がいっぱい詰まっていた。
「お前もっと精力つけろよ?たった3回でくたばってたら、この先どーするんだよ」
「一日に3回もするヤツがどこに居る!俺は1回で限界だ!!」
そう喚くと、周は心外そうに眉を吊り上げて、
「年寄りみてぇなこと言うなよ。お前は俺より2歳も若いんだから」なんて言ってマイペースに栄養剤のキャップをあけている。
え……まさかこれから……ですか??
なんて疑問に思う俺がバカだった。
こいつの前で常識が通用しないこと―――今更、気付くなよ俺……



