「悪いけどこいつのケータイ今水没中。トイレの中に落としたんだよ。バカだよな~」
なんて周はにやにや。
―――…!!
声にならない声を上げて俺は口をぱくぱく。
「そゆうわけで、ナンバーはまた今度♪」なんて女の人たちに勝手に答えてるし。
女の人たちは残念そうに肩を項垂れ、それでも大人しく帰って行った。
「あんた!何でここに居るんだ!!?」
俺は爽やかエリート会社員風情のスーツ姿から一点、爽やかスポーツマンみたいなスウェット上下姿の周を見て声を上げた。
ってかこいつ…なんでこう何着てもサマになるんだよ!!
そんな爽やか周はマシンのバーに嫌みったらしいほどかっこよくもたれかかって、
「三日経ってもお前が俺のところに来なかったから痺れを切らしたわけだ」なんて言いだした。
「いや、痺れって…なんで俺がここの会員だってことを知ってるんだよ」
「ものにしたいヤツのことをとことん調べたいのは俺のたちでね。お前が毎週金曜日のこの時間に現れることは熟知してるのさ」
ふふん、と周は笑って勝ち誇ったように肩をすくめた。
呆れてものも言えないとはこのことだ。
俺は呆然と周の姿を見るしかなかった。



