でも転校生などに興味ないあたしは寝る体制をとった。


先生は何か言いたげだったが騒がれるよりマシと判断したのか何も言わず扉に目を向けていた。


流石先生。慣れてるから手順分かってるなー………。


なんて既にとまりつつある思考でそう思いながら瞼を伏せる。


温かな春の陽射しで夢見心地でいたあたし。


そんなあたしを覚醒させる一言が聞こえてきた。




「蓮見 奏迩(はすみ そうじ)。わいの未来の花嫁、紗瞳 萌架…もえかを迎えに来たよーなもんや。取り敢えず卒業までの間はこの学校にお世話になるつもりやねんからよろしゅーな」


……………はい?


え………なんか、厄介な名前が聞こえたよーな…てか話がかなり捏造されてたよーな………。


あれ、あたしもう夢でも見てんのかなー?


クラスメイトの反応はと言えば認めないと騒ぐものと静かに睨みつけるという二パターンに別れた。


周りが奏迩に色んな視線を向けている間、あたしは狼龍と笥箕からの痛いほどの視線を感じていたのだった。





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