「「萌架さぁあああんん!!」」


倉庫に着くなり胡蝶のヤツラに勢いよく抱き着かれた。


でもみんな泣いてる。


心配かけたんだって分かるから出来るだけみんなの頭を撫でる。


「心配かけてごめんね」


みんなの頭を撫でてると後ろから気配がして振り向けば

「この…ばっかやろう!!」

怒鳴られた。


うん、笥箕には一番心配かけた。


怒鳴ってくれるってことはそれだけ心配してくれた証ってことでしょう?


「笥箕…一番心配かけたね。ごめん」


震えてる笥箕の腕を引っ張り抱きしめながら頭を撫でた。


あたしには、それしかできないから。




あたしの胸でいっぱい泣かせたあとはなんで連絡がつかなかったのか説明させられた。


曖昧にごまかしても仕方ないから簡潔に「充と別れた」とだけ答えたけど。


納得はしてなかったけど、深くは聞いてこなかった。


やっぱりどこまでも優しい笥箕。


いつかは、すべてを話せるようにあたしも成長できるかな?




充のことを少しでも思う度に痛む胸。


あたしは、気づかないフリを選んだ───…。





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