近づいてくるバイクになんとなく見覚えがある。


………ん?あれって…。


少し考えて分かった。
あの特攻服。


「胡蝶だ」


いやに最近見慣れた特攻服だからもう私服感覚になっていた。


慣れって怖いな。


向こうも気づいたのか何人かがこちらへやってくる。


「萌架さん………?」


なんで恐る恐るといった感じなのかは知らない。


「はろー。今日集会なの?」


いつもと変わらない態度で接すればなぜかいきなり抱き着かれた。


「うえっ!?え、どした!?」


慌てた声を出せば抱き着いた張本人達は涙声で話してくれた。




『萌架さんが学校を無断欠席』『笥箕さんも連絡とれない』『万が一のことがあった…!?』


………とりあえず、最後おかしいってことに気づこうよ。


いや、でも心配かけてたのか。


「ごめん。ありがと」


撫でながらいえばさらにきつく抱きしめられたがしょうがない。


深く事情を追求したりしないのはあたしにとってもありがたいしいいことだと思う。


一旦、胡蝶の倉庫に戻るらしくあたしも着いていくことになった。





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