「…っ。でも…!!」


「わいを必要としてくれた萌架に、わいはまだ何も返してやれてないんや。だからせめて昔の約束を守ろうと思ってここに来たんや。例えこの約束が守れんでも、傍におって、多少は何かを返したい」


笥箕の言葉を遮って言葉を続けた奏迩。


最後、似非関西弁抜けてたぞ。


でもそれだけ、真面目に考えてくれてるってことか…。


いや、嬉しいっていえば嬉しいんだけどね?


なんか…違うんだよね…。




「萌架は…きっと見返りなんか求めてない!!そんなの求めて何かをするようなヤツじゃないってこの学校で一緒に過ごして俺は分かってる!!」


「そんなこと分かってる。でもそれだと俺の気が済まねぇんだよ。こんなのエゴ言われたらそれまでだけどこれだけは譲れない。だからなんと言われても元の学校に戻るつもりは毛頭ない」


昔も今も変わらず、まっすぐ。
思ったことを並べるのは相変わらず。
あんな捻くれてたのに、信念だけは曲げない。


変わってないなぁ…。


「分かったか、荒乎、それとさっきからそこにいる萌架」





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