僕は頭痛に襲われながらもその光景から目をそらすことができなかった……
むしろ目をそらしてはいけないような気がした……

『でも…俺…まだっ…!』
『もう止めて!もう嫌!』
大谷知子はそう言うと、
走り去ってしまった。

『俺が…守るんだ…』

修司がそう呟いた…
どういう意味か分からないが……

独り残された修司は、
ぼうっとただ夕焼けで真っ赤に燃えている町を見ていた…

ただ町を見つめるその目は妖しくそして哀しく涙で光っていた……