『うわ…………。』

そこには1つ古ぼけて動くのを止めてしまった大きな時計が建っていた。
そしてそこのさきは僕たちの住んでいる街が一望できる景色になっていた。

『………………っ…。』

僕は泣いていた。

なぜか泣いていたんだ。

自分でもわからない。

『秘密の場所だな…。』

僕は持っていた鞄から
スケッチブックを取りだして、このとても美しい風景を絵にした。

『…ふぅ…っ!もうこんな時間かよっ!』

腕時計は夜の7時をさしていた。

プルルルル…ガチャつ…

『もしもし?姉ちゃん?』
『どしたん、真幸?姉ちゃんのケータイに電話してくるなんて珍しいじゃん?』
『あのさー…学校まで迎えにきて?』

『…わかったわ。終わったらそっち回るから。』

『ありがと。』

僕は少し景色を眺めてから学校に戻った。