こだましている……

…まただ……

こだましている……

でもまだ聞こえない……


僕はまた夢の世界にいた。
そこは、あたり一面海…底が見えないほど黒く、深く寂しい海……。

空には大きな満月が一つ…何かを示し、導こうと明るく雄大に光っていた。

僕は小さな木の舟に乗っていた…。
ポツンと浮かんでいた…。
すると、遠くに僕と同じ
木の舟に乗った、前と同じ女の子がいた…。

『おーい!君は一体誰なんだ!』

返事がない……

『俺に一体何を訴えているんだ!!』

女の子は重い口を開いた…
『あなたはまだ知らない…でも知る運命…だから…大丈夫…大丈夫…』

そう言うと女の子の乗っている舟は漆黒の闇へと消えていった…

『…お…おーい!!』

どんなに喉が裂けるほど大きな声で叫んでも
漆黒の闇に虚しく吸いとられるだけ………