私だってそんな夢を書いた事などキレイサッパリ忘れていた。
なのに…、
そんな事のためにずっと颯真は待っていてくれたのだろうか。
そんな夢を叶える為に25年も待っていたと言うの?
もしも、その為にこんなに長い間ずっと待ってくれて居たと言うのなら…、
バカだよ…颯真。
そんなくだらない遠い昔の夢を叶える為に待っていたなんて。
本当に…バカだよ颯真。
どうしてそんなくだらない夢の為にギリギリまで待ってるのよ。
そう思うのに、さも当然だと言うように、
『当たり前だろ?』
と言って頷きながら不敵に笑う颯真に、不覚にも私は胸がいっぱいになった。
そんな私のくだらない夢を叶える為に、25年も我慢してギリギリまで待っていたなんて。
本当にバカだ。
大ばか野郎だ。
信じられない大ばか野郎だよ颯真。
そんなに私の事が好きならば、とっとと告白でも何でもしてくれれば良かったのに。
今日みたいに有無を言わせず攫ってくれれば良かったのに。
颯真に奪われるのなら、私の心と体など惜しくないのだから。