『悪くはねぇよ…、恋する事自体はな?ただその相手がオレじゃなかったって事が最悪だ。』


そんな颯真の気持ちの気付無かった事が、

ただそれだけが私の唯一の後悔だ。


何時だって傲慢で不遜で尊大なこの幼なじみが、

こんな風に顔を歪めて自嘲するように吐き捨てる理由を、

分かってあげられなかったという事だけが、私の唯一の後悔だ。


そんなに切なそうな顔で見つめるくせに、どうして一度だってそんなそぶりを見せてくれなかったのか。


あれだけ色んな美女を連れ歩いておいて、私に気づけという方が無理なんだ。


私がどれだけ鈍感なのか、颯真が一番知っているくせに。


自分に全く自信の無い私が、颯真に好かれてるだなんて気づけるハズが無いのに。


それなのに今になって逆切れするなんて…、

やっぱり颯真の方が酷いわよ!