そして私はこんなにも不機嫌になっている颯真を見た事が無かった。


もし颯真を不機嫌にさせている原因が私であると言うならば、


その怒りの一端を担っているのが私だと言うのならば、


ここは1つ覚悟を決めて、説教されるなり罵倒されるなり殴られるなりするしかないのかもしれない…。


何で私が…!?という気持ちも多分にあるのだけれど。


だけど、ここまで颯真を怒らせてしまってはタダでは帰れないだろう。


失恋を慰めて貰った上に、高級フレンチを奢って貰って身だ。


例えその慰めが酷いものであったとしても、


颯真が怖すぎて高級フレンチの味が1つも分からなかったとしても、


もう仕方がないのかもしれない。