知らないわよっ!!
知りたくもないわよ!!


あああ泣きそうだ、今すぐ泣き出したい気分だ。

もういっそ泣こうかな。

良く考えたら我慢する事なんかないよね?

泣いちゃうぐらい酷い事を言われてるんだから、泣いても当然だよね!?

そうだよね!?

そうに決まってるよね?

よし泣こう!!

今すぐ泣こう!!

号泣してやろう!!!


そう思って今まさにウワーン!と涙を零そうとしていた所で…、

ふいに颯真が振り返った。


そして…、



『泣くなブス、うっとおしい。泣いたらぶっ飛ばすぞ。』



って…、余計に号泣しそうな事を言われた。


ちくしょう!このヤロウ泣くもんか!と思うのだけれど、涙は急に止まらない。


だって今まさにウワーン!と泣こうとしていたんですもの!


だから、迫り上がって来ていた涙が急に止まるハズも無く。


目に涙を溜めたまま、勢いまかせに「ウ……」と口から出てしまった言葉は、


『ウ?』


と言って鋭い眼光で睨んできた颯真に射竦められて、零れ落ちる寸前で止まった。


いや止めた。

気合いで止めた。

寸前で止めた。

寸止めした。


す、すごい!
人間何でもやれば出来る!
死ぬ気になれば何でも出来る!!


そんなどうでも良い教訓を得ていると、いつの間に辿り着いたのか、ガチャっと部屋のドアが開けられていた。