失恋したてだと言うのに、幼なじみにぶっ飛ばされそうになっている私…


酷い…!!
可哀想過ぎる!!
あんまりだ!!!


はっ…!
気づけばもう50階じゃないか!


無情にもぐんぐん上昇するエレベーターに半ばパニックになりながら、

とにかく今は何でも良いから颯真を止めなければと思った。


そして勇気を振り絞って再び口を開く私…



「そ…」


『ブス』



チーン…51階でございます。



「う…」


『デブ』



チーン…52階でございます。



「ま…」


『ハゲ』



チーン…53階でございます。



『降りるぞ。』



ギャーーーッ!!



エレベーターの機械的アナウンスを空しく聞きながら、あっという間に目的地に着いてしまった。


オイオイオイ…!
ちょっとちょっと!!


あのさ…?
いくら何でも女の子に向かってハゲは無いんじゃない!?


ハゲは酷いだろう!

なんだその暴言は!!

25歳にもなって女に言う言葉じゃないぞ!


しかも階が上がるごとにホップ、ステップ、ジャンプの勢いで酷い事言いやがって!!