ふとエレベーターの階数に目をやると、既に47階を表示していた。
部屋は53階に取ってあるらしい。
このままではマズイ!
早く何か言わなくては!!
焦りつつも再び勇気を振り絞って口を開く私。
「そっ、颯真…」
『黙れブス。』
んなっ…!
何て事言うんだ!!
黙れはまだ分かるとしても、ブスは余計でしょうが!!
「ちょっと…!」
『喋るなブス。』
はぁっ…!?
だからブスは余計でしょうがよ!!
遠慮無く酷い事を言われて段々とムカついて来た私は、何とか必死に反論しようとするのだけれど…、
「あのさ…」
『うるせぇ、ぶっ飛ばすぞ。』
余りに酷い物言いと、颯真の恐ろしくキレた眼差しに、思わず閉口するしか無かった。
ぶっ飛ばすって何だ!
ぶっ飛ばすって!
もしかしてぶっ飛ばす為に部屋に泊まるのか!?
だとしたら本気で帰りたい!
逃げ出したい!
しかも階が上がるごとに颯真の機嫌が悪くなって行っている気がする。
加速度的に悪口のレベルが上がって来ている気がする!
2回もブスブス言いやがって!
恐ろしい…、恐ろし過ぎる。



