どどど、どうしよう…! こんなに美味しい三つ星レストランにいるというのに、 食事の味が全く分からない。 高級フレンチのフルコースを食べられる折角の機会だというのに、 ショックで胸がいっぱいだ。 緊張して喉がカラカラなんだけど、 これ以上ワインを飲む気分にもなれない。 それから一言も喋らなくなった颯真を前に、私は只ひたすら黙々と目の前の食事を片付ける事に集中した。 颯真は無言でワインを飲んでいたけれど、窓に映る颯真の姿がナゼかいつになく色気を纏って見えた。