パタン。
部屋を出て一息つく。
「なぁ、トシ…。」
「あ?」
「どう思う?」
「さてね……。」
あいつらが、俺たちに京華を仲間に引き入れろとわざわざ命令する理由なんざ、決まってる。
どうせ、今までの京華の監視役+αの仕事で、俺らを何かがあった時のストッパーにしよってんだろ。
あいつらは、京華を利用こそすれ信用しているわけではないから。
あ
この場合だと逆も……。
逆に俺らを京華に監視させるってーのも有り得るか。
俺らも京華と同様信用されているわけじゃねぇから。
無論、俺らだってあんな奴ら信用なんてしてねぇ。
だから、あいつらが俺らや京華を利用してんのと同じように俺らも利用させてもらう。
お互いが自分の利益のためにお互いを利用する。
ただそれだけの関係だから。
俺らは京華をただ連れ戻すために。
あー
早く戻りてぇな。
『新撰組』に。
俺らの仲間がいる場所に。
だから、早く思い出せよ。京華……。