京華ちゃんに視線を移すと物欲しそうにあの子達が立ち去って行った方向を見つめていた。


「京華ちゃん、大丈…「……死ねなかった……。」



僕の言葉に彼女の言葉が被った。

『死ねなかった』??


僕達はただその言葉に目を見開くしかなかった。


しかし彼女はすぐにはっとして


「ありがとうございました。」



機械的にそう言って一礼し、ふらっと立ち去っていった。



……『君なら避けられたよね?』って聞こうと思った。でも、なんで避けなかったのか理由が分かってしまった。



彼女の後ろ姿が見えなくなり、一磨くんが口を開いた。



「総真……。」

「……うん…。本当急ごうか。」

「あぁ。」




僕達はその場を離れ足早に帰路についた。