紅憐鬼



「……いいわ。加奈。黙っていて?」

そう言われると加奈と呼ばれた女はぐっと押し黙った。


「ねぇ、染羅木さん。私、あなたのこと調べさせてもらったの。あなた一般人よね?」


「…………。」


私……一般人ではないです。むしろ異常です。



「あなたも知ってるわよね?この学校はね、日本の未来を背負う者達が通う学校なのよ?あなたのような凡人がいていい場所ではないの。

「…………。」

そう言うからには、彼女もどこかしらの令嬢なのだろう。

守られて大切にされてきたのだろう。

人間の愚かさ、汚さの中で。

自分がその愚かさや汚さに埋もれて育ってきたことも知らないんだと思う。

だから、それが普通だと思ってる。


「私ね、一般人がこの学校に通ってるってだけでも我慢がならないの。だってそうでしょ?私達のような上流階級の人間が一般人と同じような扱いをされて言い訳がないんだもの。」

「…………。」

本当に何も知らないんだな。このお嬢様。ただ親の権力に託つけてるバカな女だ。


「なのに、あなたは私の彼を誘惑した。」

いや、誘惑もしてないし手も出してないけど。